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(ネットネイティブ)出会う空間:少女孤立、本音はSNSに

2018年10月13日(土曜日)朝日新聞
少女孤立 本音はSNSに

 少女は両親と弟の4人暮らし。実の父親は知らない。少女が小学1年になったとき、別の男性が継父として家に来た。「とても優しくて。『お兄ちゃん』と呼んでいた」
 だが、まもなく継父と母親の虐待が始まった。気に入らないと食事は出ない、お風呂は入れてもらえない、殴る、蹴る。「できそこない」「クズ」という暴言――。少女は突然の眠気に襲われる「ナルコレプシー」という睡眠障害も患っていた。目が覚めたとき、継父が自分を殴り続けていたこともあった。
 虐待は学校生活にも影響した。人と関わる方法が分からず、同級生から「普通の子と違う」とレッテルを貼られた。定時制高校へ進んだが、1年の終わりごろには全く行かなくなった。
 家族との会話はなく、バイトでためたお金から月に4万円ほど生活費として渡していた。食事も自分で用意した。ストレスをはき出す場所もなく、薬の過剰摂取やリストカットを繰り返した。
 そんな生活の中で、中3の時にスマホを持った。親は「料金は自分で払う。SNSはやらない」という条件をつけた。母親は「SNSは不特定多数の人間と簡単にやりとりができ、トラブルに巻き込まれるから」と言った。だが、まもなくツイッターを始めた。
 実生活で頼る人がいない少女にとって、ツイッターは自分の本音を言える唯一の場所だった。自分と同じ悩みを抱えている人とつながれる一方で、簡単に関係を絶つこともできる。
 持っているアカウント(登録名)の数は10近くある。ネガティブな内容をつぶやくアカウント「病み垢(あか)」、男として振る舞っているアカウント、誰にも言えないことをつぶやくアカウント――。「親に殴られた」「彼氏いたらいいなって思うよ」などと本音をつぶやいた。「本当に嫌になるよね」など、理解してくれるリプライ(返信)があると、なんとなく落ち着く。家庭や学校という現実から、自分を解放する家出の手段として使ったのもツイッターだった。
 街中で同世代の少女たちが楽しそうに会話しているのを見かけると、「彼女たちには居場所があるんだ」とうらやましくみえる。その一方で、「大変そうだな」とも感じる。誰かが新しい物を身につけていたら、「かわいい」と褒めないといけない。自分にはそういう生身の付き合いはとてもできないと思う。
 いま、少女がいる女性の家は1DK。「風邪を引いたりしたら、後味が悪い」と言って住まわせてくれた。両親がいる自宅に戻る選択肢はない。「今日、明日生きるので精いっぱいで先のことはわからない」。あと数カ月で18歳。小さな部屋を借りて1人で生活を始めたいと思っている。
 ■悩み吐露、つけ込む大人も
 警察庁によると、SNSなどで児童ポルノや児童買春といった被害に遭った子どもは2017年に1813人にのぼり、約10年で2倍以上になった。一方、警察に行方不明者届が出された10代の人数は1万6412人(2017年)で、理由は「家庭関係」が6205人で最多。実際にツイッターの「#家出」「#神待ち」などで見知らぬ男性と出会い、事件に巻き込まれる例もある。
 青森県警は昨年12月、県内に住む女子中学生(当時15)が未成年だと知りながら連れ出し、神奈川県内の自宅で寝泊まりさせたとして同県の男性を未成年者誘拐の疑いで逮捕した。その後、男性は有罪判決を受けた。判決などによると、男性は昨年8月ごろからツイッターで家出中や家出願望のある女性を探すようになった。判決では「被害者の家出願望に応えようとして実行されたもの」とされた。
 ネットをめぐる事件を取材するフリーライターの渋井哲也さんによると、ネット上では、家出先を求める「掲示板」が十数年前にはあったという。最近では、ツイッターのDMなど他人に見られずにやりとりできるSNSが主流だ。渋井さんは、宿泊させる代わりに男性が性行為を求めることが暗黙の了解の場合もある、という。
 それでも、「SNS上の人は親身に話を聞いてくれる、と考えている。家出する子どもたちは家にいる方がリスクが高いとも感じている。そして、ネットがあったから救われた、という人たちも確かにいる」と話す。
 ネット上のトラブル相談に乗る全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長は「自分が抱える苦しい思いをネットでつぶやき、反応があるとすぐに信頼してしまう。だが、そこには弱みにつけ込む大人もいる」と指摘。「親を含め周りの大人が子どものネットの使い道に無関心過ぎる。使い方や危険性などの教育を地道にしていくしかない」と訴える。
 (有近隆史、田中聡子)

※2019年5月、新事務所設立に伴い講演依頼・取材依頼は070-6457-8693 安川雅史まで!
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